書く理由 磯野さやかさんから
生きていれば私は文章を書きます。書くことに理由はありません。誰にも見せないという選択肢もありますが、ここしばらくは見せることを選び、ブログに載せています。
人に見せるのはどうしてかと言えば、たぶん、さみしいからです。私は誰といても、どこに所属しても、どんなに幸福でも、どれだけ成熟しても、何を所持しても、いつもずっと、さみしい。無人島にいるように、私はさみしい。生まれつきそういうたちなのです。
書いたものを人目に触れさせる、つまりブログにアップすることは、灯台の灯を点すことに似ています。私はブログを書く自分を、無人島の崖の上に日干し煉瓦を積み、ささやかな塔を建て、そのてっぺんで火を起こしている灯台守だと思っています。書くことは生きている限り使う竈(かまど)の炎、人に見せることは灯台の明かりのようなものです。
『傘をひらいて、空を』 磯野さやかさん インタビュー
この方は、書くことが生活の一部なんだな。さみしい、というのはわかる。つながりがないから、だから繋がろうとして書くんだ。