風間さんの仕事観
サブカルにどっぷりな方々に比べたら、僕なんて全然もう、つまはじきにされることはわかってますけど、もし今「何でもやっていいよ」って言われたら、ヴィレッジヴァンガードの店長やりたいです。
知識もないって自分で分かっているのに、そういうことが言えてしまう風間さんがさ、私だったら絶対恐れ多くてできないと思ってしまうのに、やりたいって言えてしまう、なんだったらにわか知識でも。そこが風間さんと私の違うとこだなと思うよな。
私だったら、絶対私なんかがって言って、ぞわぞわしてできないことをやれてしまえるのが風間さんの強さなんだけど、この違いって何??
風間さんの根本に、目立ちたいとか、やれるもんなら、その機会があるなら、今の自分に知識や技術が十分になくてもやってみよう、やってみたいっていう感覚があるのかな。
いつもどんな仕事も自分のできる全力でやるってのがたぶん風間さんのポリシーなんだと思うんだけど。
自分のできる全力が相手の要望に適っているかはわからない。相手の要望に適うことが本当にいいことなのかもわからない。
自分の仕事があるってことは、自分は誰かに必要とされているということ、それを数ある仕事のなかのひとつにしてしまってはいけない。
自分の芝居がどうこうではなくて、常に『これが最後の仕事でもいいや』という気持ちでやって、実際にそう思えたときが、自分にとっていい仕事ができたと感じる瞬間。
PICT-UP(ピクトアップ) 2016.10月号 通算102号 p.81
その仕事にかかわる物事全体を見ている。 芝居以外でもその仕事に対して自分がどう貢献できるか。根本は芝居だろうけど、人を育てることかもしれないし、場の空気を和ますことかもしれない、自分の芝居がダメでも他人をよくすることに貢献したりできるかもしれない。その仕事の中で、自分が貢献できることがなにかあるだろうか、ということなんだろうな。
猫よんでも、足りないスタッフの代わりに交通整理とか、スタッフの名前や好きなものを全部覚えているとか。その場をいかに仕事をしやすく、居心地よくするかみたいなことに心を砕いている感じがしたもんな。
仕事をするにあたって、人と人との信頼関係を作るみたいな感じ。仕事ごとに人が変わってしまうような現場だから。
モブの芝居だからやらなくていいよ、って言われるより、ここで芝居しててくれない?って言われたほうがいい、って言っていたもんな。なんかあった時に風間の名前が挙がるようになったほうが、あ、あいつがいたか、みたいに名前が挙がるようになったほうが人に思い出されるほうが仕事が来やすいんだよ。たぶん。
だから、風間さん積極的にゲストではなく、その番組の中に入ってアシスタント的になったりすることが多いんだ。そのほうが、つまりウチに入ってその番組の一員みたいになってしまったほうがスタッフとしても使いやすいし風間さんとしても呼んでもらいやすいから。